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2011年08月 アーカイブ

日本が円建て輸出ができないのはなぜか 2

「マルクははじめは弱い通貨でしたが、次第にその競争の中で国際的に重要な通貨に成長していったのです」


副総裁が指摘した3点を日本との比較において検べると次のようになるでしょう。


第一の点、戦後すぐの通貨改革では、西ドイツはインフレを完全に封じ込め、以降国民の消費生活にウエイトをおいた物価を中心にした経済政策を展開し、国民に通貨の信頼性を与えて来ました。


それに対し、日本はインフレを克服できなかったため、円を信頼できる通貨になかなかできなかったし、その結果、物価も蔑ろにされてきたのです。


第二の点、西ドイツは、貿易赤字国から黒字国になった時点(1952年)で、いろいろな自由化を進める一方、外貨の黒字から国内にインフレーションの生じる恐れがでてくるとそれを防ぐために、ドイツ・マルクの切り上げ(第一次マルク切り上げは1961年)など積極的に自らの意志で外貨政策を推し進めてきました。


それに対して、赤字国から黒字国に定着した1960年代半ばごろの日本が取っていた行動は、依然として赤字国そのもの。


外貨(具体的にはドル)を後生大事にするというだけの、赤字国精神の遺産である国為替管理法が、世界の動きと逆向きに幅を利かせていたのでした。


・・・ましてや世界を意識下に入れた通貨政策など存在するはずはなかったのです。


第三の点、日本・西ドイツとは違って、円を国際通貨との競争にさらす勇気などは、さらさら持てなかったのです。


アメリカ、ヨーロッパ諸国からの自由化・規制緩和など要求にもかかわらず、日本の当局は、金融・資本の自由化をひたすら遅らせ、金融機関を幼な子のごとく保護・監督・規制してきたのでした。

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